「このミステリーがすごい!」の10位らしいけど、
そんなにミステリーっぽい作品ではないと思う。
いや、っぽくないというか、あまりそこに主眼をおいてないというか。
かなり露骨に村上春樹っぽさを感じたけど、
まあまあ面白かったのであまり気にならなかった。
ただ、なんていうか、登場人物みんなが心に傷をもってる、
みたいな雰囲気がどうにも好きになれない。
これは好みの問題だと思うけど。
5つの話が収録されている短編集で、
特に好きだったのは「蝉の証」かなあ。「祈灯」もなかなか。
「瑠璃」は主人公が好きだった。面白くて。
この作家のユーモアはかなり好きだと思う。
それも村上春樹っぽくはあるけど。
伊坂幸太郎が「これ読んで素直に自分より面白いって思った」と言ってたけど、
自分としては伊坂のほうがやっぱり好きだなあ。
この間「重力ピエロ」を読み返したんだけど、やっぱり良い。
全部の作品を二度以上読む気になる作家ってのは、そういないと思う。
コメント
MISSINGの中では祈灯がよかったかな。
書いた通り、村上春樹には似てると思ったけど。