3月27日の日記
2006年3月27日「八年後に小惑星がぶつかって地球が滅びます」
という発表が出てから五年後の、
世界の混乱がある程度静まった状態の人々を描いたお話。
この設定と各話のタイトルはなかなか面白い。
けど肝心の中身のほうは、うーん。
いまいちと言わざるを得ない。
相変わらず読ませる力はあるし、文章は好きだし、
会話は面白いし、キャラクターも良い。
けどストーリーがなあ。設定頼りに過ぎる。
設定ありきのお話なんだ、っていうのはわかるけど。
こういう話にするためにこの設定があるのではなく、
まず設定があってそこに話を載せていったという。
そのせいでストーリーは
「よくある話を伊坂テイストで書いてみました」
って感じになっている。
登場人物がいきなり嘔吐したり、
「方舟」といういかにもな計画がちらちらと見えたりして、
もしかしてこれは終盤に向けての伏線なのか!?
と期待するも、特になにもなく。
うーむ。ラッシュライフの頃の緻密さはどこへやら。
伊坂自身がああいうのをやりたくなくなったんだろうけどなあ。
やっぱり残念。
あと「ヨール」はねえだろ、と思った。
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