6月3日の日記

2006年6月3日
 
結局、見事に最後まで付き合わされました。
戯言シリーズ完結編。

なんというか、クビキリサイクルで
「ミステリとしては劣化森博嗣」とか
言ってた頃が懐かしい。

何しろネコソギラジカルでは、
もう事件とか謎解きとかそんな言葉は一切出てきません。
開き直っちゃった! って感じ。
まあ結局のところ、戯言シリーズのメインは
そんなところにはなかったってことでしょう。

僕がこの戯言シリーズに惹かれたのは間違いなく
二作目の「クビシメロマンチスト」で見られた
主人公のとんでもない黒さと攻撃性のせいですが、
シリーズ全体を通して、これはその主人公が
成長する物語だったとまとめて良いんじゃないかと思います。

……この主人公を自分に重ねて読んでしまうような人にとっては、だけど。

その意味で、やっぱりシリーズ中で一番好きなのは
「ヒトクイマジカル」だなあ。
「クビシメ」→「クビツリ」→「サイコロ」ときて、
主人公の葛藤が収束するのがここだから。

伏線が全部回収されてないとか、
主人公の名前がわからず仕舞いだったとか、
そういう批判が出るのはまあ、わかる。
物語の筋書きに期待してた人はまあそうだろう。

けどまあ、ネタバレになるけれど、
「ネコソギラジカル」単体の物語としては中巻の後半で
もう終わったようなもんでしょ、実際。
残りはなんというか、本当にただ話を終わらせるための尺で。
まあそれを言えばネコソギ自体がそういう話なんだが。

尻切れトンボな感じが否めないっつーのは、まあその通りだけど。
出版にも延期がだいぶあったみたいだし、
当初の予定を大きく変更したりして、かなり苦労して終わらせたんだろうなあ。
そこは確かに残念。もうちょい何とかなっただろ、とは思う。
中巻のサブタイトルとか、明らかに下巻向けだし。

エンディングは見事なまでのハッピーエンドで、
その直後にアトガキで「ハッピーエンドなんて大嫌い」とか言ってるのが
いかにも「戯言シリーズ」だなあ、なんて思ってみたり。
なんて言ってるのも戯言か。
こんなこと言っちゃうくらい、最終的には好きなシリーズになりました。

一気に買って一気に駆け抜けたので、そのうち読み返さねば。

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